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基本的な資料解釈の部分でいろいろと勘違いがあるようですので
当事国と相手国という呼称で説明しますね。
○当事国の資料について
戦死者数については「当事国の公式資料に準拠」するのが一般的なんです。
というのはなぜかと言いますと、戦場に送り込んだ人数は、当事国が把握しているわけですね。
また原隊に復帰した人数も、当事国でないと把握できませんからね。
この差が戦死になるわけですから、当事国の史料に準拠するのは当然といえば当然なんですよ。
公式報告は、戦闘が終わってある程度の期間をかけて編集されるものになります。
つまり、編集が終わるまでの期間に、本隊に戻ってこないということは、生存しているという根拠が
ないわけですから、戦地で死亡したものと考えることにならざる得ないわけです。
未帰還者を行方不明とするか、戦死に計上するかは単なる書類上の分類の問題にすぎないことで
特に行方不明などの注記がない場合は戦死に含まれると解釈するのが一般的な解釈となります。
○相手国の資料について
中華民国を当事国とした場合、相手国は日本ということになります。
相手国側では、戦果として当事国(中華民国)の被害が報告されるわけですが、戦果報告は過大になる
傾向が強く、当事国と相手国の数値は一致しないのが通例なわけです。
ですから、戦死者数につきましては、それぞれ当事国の公式資料に準拠するのが学術的にはあたりまえ
のことになります。
○資料の比較について
いわゆる「南京戦史」という日本側の研究で、
>「戦死・約3万人、生存者約3万人、撃滅処断1万6000人」
としているのは、それぞれ推計値であって資料そのものではないんですね。
また、推計の方法も日本側の戦果に準拠している部分があるので、過大な方向にバイアスが
かかっている可能性が高いです。
いま手元に資料がないんで記憶になりますけど、現存する中国軍の記録によれば原隊に復帰した
ものが約3万5000人です。ただし4個師分の記録は今のところみつかってませんので、
おそらく生存は4万〜5万くらいにはなると思います。
そうなれば南京戦史の推計である生存3万よりも、大幅に中国軍の生存者は多かったことになるでしょう。
ということで、学術的に冷静にですよ、南京戦史推計と中国側公式資料を比較した場合には、
当事国である中国側資料のほうがより実態に近いであろう。
と、解釈することになります。
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