|
|
で、交戦資格について多くの引用があるわけですが、そのいずれもが交戦者資格(捕虜資格)を得る為の
条件を述べたものなんですよ。
正規軍というのは、慣例として4条件を備えているわけです。
4条件をそなえているので、正規軍には無条件で交戦者資格(捕虜資格)が与えられる。
その他、民兵や義勇兵は4条件を備えれば、交戦者資格が与えられる。
当然ながら、4条件を欠く場合には、正規兵でも民兵義勇兵でも交戦者資格(捕虜資格)がなくなる。
---------------------------
『戦時国際法論』立作太郎
上述の正規の兵力に属する者も、不正規兵中、民兵又は義勇兵団に必要とする後述の四条件を備へざる
ことを得るものではない。正規の兵力たるときは、是等の条件は、当然之を具備するものと思惟せらる
るのである。正規の兵力に属する者が、是等の条件を欠くときは、交戦者たるの特権を失ふに至るので
ある。
----------------------------
読み違えようなありませんね。
正規兵は4条件を備えているのが前提であり、条件を欠く時には、民兵団や義勇兵団と同様に
交戦者資格(捕虜資格)を喪失するということが説明されています。
制服の着用について
第一追加議定書の44条7項は
---------------------------
7 この条の規定は、紛争当事者の武装し、かつ、制服を着用した正規の部隊に配属された戦闘員に
ついて、その者が制服を着用することに関する各国の慣行であって一般に受け入れられているものを
変更することを意図するものではない。
--------------------------
ゲリラ兵について、制服着用などの4条件を緩和したが、これは正規軍兵士が制服を着用せずに
活動してよいという趣旨のものではない。正規兵の制服の着用は慣行であるから、正規兵が
捕虜資格を得る為には制服を着用するようにという条文です。
---------------------------
新版『国際人道法』増補 有信堂 藤田久一著作 P84
これらの規定から判断しうることは、ここにおける「軍」とは正規軍のことであり(しかしその定義は
与えられておらず、各国の定めるところに委ねられている)、それは無条件で当然交戦者の権利が認められ(2)、
民兵および義勇兵団には右の四条件が、そして群民兵には二条件がみたされた場合にのみ交戦者資格が
認められることである。
これは、交戦者資格について、いわば無条件の正規軍と条件付の不正規軍(兵)という【二元構想】が
戦争法上確立されたことを意味しよう。
※(2)これは、正規の軍人の指揮する軍艦及び航空機にも該当する。なお、
正規の軍人は一般に制服着用を必要とするが、軍艦、航空機はそれに一定の外部標識を付ければ十分である。
http://nankinrein.hp.infoseek.co.jp/page024.html
---------------------------
正規軍には無条件で交戦者資格が認められるという部分について、「制服着用が必要」と書いてありますよね?
制服を着ていない場合には、交戦者資格が認められないということなんですよ。
トラ猫さんが引用されたものからわかりやすい例で解説しますと
----------------------------
「“一九〇七年のハーグ陸戦規則”では、【 正規の軍隊のみでなく、】
(a)民兵隊および義勇隊で、(イ)部下のために責任を負う統率者をその頭に戴き、(ロ)遠方より認識しうる固着の特殊標章を付し、(ハ)公然武器を携帯し、(ニ)戦争法規を遵守するもの(一条)、
(b)まだ占領されていない地方の住民で、敵軍の侵入に対して、一条によって編成する余裕なくして侵入軍に対して抵抗するもの(群民蜂起leveeenmasse)で、(イ)公然武器を携行し、(ロ)戦争法親を遵守するもの(二条)、
にも交戦者としての資格を認めて、これらの構成員が敵軍の手中に陥った場合は捕虜として待遇され,戦争犯罪人として処罰されないとされた。」
----------------------------
重要なのは太字の部分なんです。
交戦資格(捕虜資格)があるものは、正規兵であるとか民兵であるとか、その身分に関わらず等しく
扱われるわけです。
ここ重要なんですが
※交戦資格者について、正規兵とその他民兵などを分けて考えるという説はありません。
つまり、民兵やら義勇兵は4条件を欠くことで交戦者資格(捕虜資格)を失うわけですから、正規兵であっても
4条件を欠く(具体的には私服での偽装)により、交戦者資格を失うことになるわけです。
その具体的な例がなんどもあげている「間諜」なんですよ。
同じ情報収集をやっても、制服着用なら捕虜資格があるので捕虜として扱われますが、
私服で偽装した場合は捕虜資格がないので、犯罪行為(軍律違反)として処罰される。
以上は、ハーグ陸戦法規に明記されていることですから、議論の余地はないんですよ(笑
|
|